
【鹿大生企画】イベントレポート~世代間で共有する戦争遺児の体験談~
「今の若い世代が、戦争について考えるきっかけになるだけで、意味があると思う」そう話すのは、鹿児島大学理学部・院2年の渡邉良介さん(24)。
渡邉さんは、9月13日に鹿児島大学で開かれたイベント「世代間で共有する戦争遺児の体験談」を研究室内の教師・学生とともに主催した。イベントには50人近くの参加者が集まり、講師には「戦争を語り継ぐ遺児の会」から戦争遺児の方々、5名を呼んだ。

(講演で話す吉見文一さん)
企画では、講師が自らの戦中・戦後の体験を振り返り講演を行った上で、学生を交えた対談が行われた。戦争を語り継ぐ会、代表の吉見文一さん(82)は、2歳の時に出征した父親をパプアニューギニアで亡くした。大学卒業後は高校教師を37年間勤めたが、生徒に戦争のことを話すことは一切なかった。これには、「80歳になるまで、戦争について話すには心の準備が必要で、勇気がいった。」と心境を述べた上で、「だからこそ、残された時間を若い人たちに戦争を語り継げるように頑張りたい」と目標を口にした。
また、講師の下津春美さん(84)は、2007年からパプアニューギニアで遺骨収集の活動を続けている。この体験を振り返り、「若い学生さんにも、ぜひ遺骨収集を身をもって体験して欲しい」と訴えた。(本イベントでも紹介された、日本青年遺骨収集団の情報はこちらから見れます。)

(←吉見文一さん、渡邉良介さん→)
主催者の渡邉さんは、中高の修学旅行で沖縄に行った経験などから、「戦争について考える機会はあったものの、『戦争について考えてもらいたい』と自ら行動に移すことをはなかった」と振り返る。その後、大学院卒業後の進路として『教師』を志すようになってから、「生徒を前に自らの体験をもって話せるようになりたい」と思ったことが本イベントを企画するきっかけになった。
本企画は、「進取の精神チャレンジプログラム」の中で、イベント開催まで実現することになった。そして今後は、イベントで語られた内容を書籍として200部ほど刷り、遺児の会や鹿児島大学へ寄贈するという。渡邉さんは、「戦争遺児の方たちを支援し、後世にも語り継ぐという意味でも最後までやり遂げたい」と意気込んでいた。
取材後記
今回、講師として話してくださった吉見さんが、「戦争の体験談を話すことには『大きな勇気』がいる」とおっしゃっていたことが印象的に残っています。他の遺児の方も同じく、「戦争の体験談を家族に話すことはなかなか難しい」と話していました。戦争を経験したことがない我々には、戦争体験を世代間で語り継ぐ義務があると同時に、聞く立場として多くの配慮が必要になるのだと気付かされた機会でした。


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